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だけど俺はただのおっさんで医療従事者ではなく医師から聞いた話、人から聞いた話、自分で調べた事、自分で体験した事より「こうではないか」ということを推測しているだけです。よって医学的に正しくなかったり全員に当てはまるわけではないのでご注意下さい。

18っ子にとってバンディングって最初に考える手術になることが多いけど、その重要性を俺が本当に理解できたのは根治術を受ける少し前くらい。バンディングの事は医療系のサイトにも出ているし個人のブログでもいっぱい情報はある、実際俺も書いていた。それでもバンディングの意味というか意義というか、バンディングをすることでどういう結果につながっていくのかが全く理解できていなかった。知識として知ることと理解することは全くの別物だと改めて思った。

娘の場合、産まれた時から肺高血圧症や肺出血があり早めに対処しないと命はないと言われていた。それは18トリソミーと診断されてからも変わらず医師は何度も話をしてくれた。俺自身バンディングについて調べ「バンディング」「肺動脈絞扼術」「18トリソミー」「心室中隔欠損」「肺高血圧症」などの単語を組み合わせてグーグルで検索しそれぞれ上位100くらいは読んた。だから医師と話をしても理解できるし娘に必要なことも分かる。

でも実際はバンディング=娘が今の状態より楽になる、程度の理解しかできていなかった。バンディングが根治術につながっていくことは知識として知っていたが、医師より根治術までは難しいと言われそんなものかと思いながらも娘が楽になるならと最終的に手術してもらうことにした。

手術が終わって体がバンディングに慣れてくるにしたがってSPO2が安定し体も大きくなってきて出来ることが増えてきた。手術してもらって良かったと心から思えた。

時は経って根治術が近くなり、俺は手術に対し不安が強くなって根治術経験者やブログで知り合っと人達と交流するようになった。そんな中で知ったのはいろいろな事情でバンディングしなかった・できなかった18っ子がいっぱいいて、結果肺高血圧症が悪化していたこと。調子が良かったので逆に手術の決断ができなかったり、医師よりバンディングの重要性を説明されなかったり手術を拒否されていた。そのケースが自分が思っていたよりずっと多かった。

「肺高血圧症」って言葉の響きから言うと大した事なさそうだけど、俺が調べた範囲では根本的な治療法はなく薬やガスによって血管を広げる治療、もしくは肺移植のみ。さらに悪化しアイゼンメンジャー症候群になると心肺同時移植のみ。危険な病気なので放っておいてよい事は全くない。

娘の場合は産まれてすぐに重度の肺高血圧症だと言われた。それが早い段階でバンディングしたことによって肺と血管が守られ、根治術前のカテーテル検査では正常値のギリギリ上限でいられた。

そんな自分の経験や人から聞いた話などを統合すると、バンディングができる可能性があるならバンディングした方が良い、との結論になる。もちろん手術なんでリスクがあるし手術が原因で命を落とすかもしれないし期待した効果はでないかもしれない。​それでも悪化していく肺高血圧症に対し他に有効な治療はなく、長く生きれば生きるほど肺高血圧症であることのリスクは高くなる。

大阪で入院中に循環器の先生と話をした。その時に「アメリカが400件ほどの症例を学会に発表してきて、根治術が18トリソミーの子供の寿命を延ばすのに有効ではないかとのデータが出た」とのことだった。21トリソミー(ダウン症)が20年ほど前までは寿命は20年ほどと言われていたのに最近は50年と言われている。寿命が延びたのは合併症、特に心疾患の治療が進んだからと読んだことがある。だから18トリソミーにも心臓の手術が有効な可能性は高いし、そうであって欲しい。

娘が根治術を受ける準備段階として

1.外循環(人工心肺)が使えるほど体格を大きくすること。3000㌘、5000㌘と病院の使う機械によって基準が異なる。

2.肝臓の状態。肝臓が悪かったら手術後の投薬治療に耐えられない。

3.肺と血管の状態。肺高血圧症がすすんで血管がボロボロになったら手術できない。

以上の3点を言われた。

短命と言われ重度の障害をもった子供の将来を考えて決断するのは難しいことと思う。それもバンディングが手術適応になる期間は生後から極めて短い。最後に決断するのは親だけど、どうかよく考えて後悔のない選択をして欲しい。

最後に、バンディングした方が良いというのは俺の意見であってバンディングをするのが正しい・バンディングしないのが間違っているとかではない。今のところどうがんばっても18トリソミーは予後絶対不良と言われるのは変えられないし、その病気に対する考えは個人や家族や医師で違って当然。治療をするという決断に勇気はいるけど、治療しないという決断にも勇気がいる。俺は医師に「娘の治療を止めてください」と言ったことがある人間だから。この言葉を口から出すときの気持ちは本当に表現しがたい。

​だからどちらの決断も尊重するべきだと俺は思います。

​このページはバンディング(肺動脈絞扼術)について

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